2024年11月22日(金)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年3月2日

ダシは既製のうまみ調味料を

「常識」の2つめは、最初から最後まで自分でやること。
「調理の最初から最後まで」ではない、買い物から後片付けまでだ。

無駄な買い物をしないためには、レシピが頭に入っていること(少なくともメモをして出かけること)と、冷蔵庫の中身を知っておくこと(少なくともメモしておくこと)が最低限の準備。
後片付けを最後まで自分でやるということになれば、使う調理器具や食器類も再現にと考える・・・・これが「料理」だ。
「作ったのはオレなんだから、後片付けはお前」という論理は通用しない(もちろん、普段から、家族間の家事役割分担ができているのなら、話は別)。

「常識」の3つめは「こだわりすぎない」こと。
「こだわり」の例としては、たとえば「本格化的にダシ(出汁)をひく(ダシをとる)」などがあるが、初心者は即席の出し(うまみ調味料等々)のほうがいい。
安くつくし、失敗がない。
そもそも、初心者が本格的にダシをひいてもうまくいかないし、味の違いはわからない。

次の「こだわり」は有機野菜などの特別な材料。
日常的に料理をしてない人は、珍しい食材にこだわる傾向にある(ような気がする)。
私は、野菜はスーパーや近所(にあれば)の八百屋で売ってある普通の野菜(慣行栽培野菜)を勧める。
有機野菜と慣行栽培野菜とでは、基本的に、味や安全性に差はみられない。
価格は、一般的に、慣行栽培野菜のほうが安いはず。

まずは、中国風炒め物と具だくさんの味噌汁

そして最後の「常識」は安全に対する配慮。
安全に関しては初心者もベテランもなく、手抜きも許されない。
いつでも・どこでも、調理担当者が最も気をつけなければならないポイントは「食中毒」。

食品安全の知識が希薄なビジネスマンが「食品安全」に関して留意すべきことは、「1に手洗い・2に加熱」と心得よう。
手洗いは、自分が食事をする前のそれとはケタ違いにていねいにすること。
調理担当者の不衛生は食べる人全員に害を与えてしまうから。

加熱も、とりわけ初心者は「加減」がわからないはずなので、こちらも徹底すること。
「外はパリパリ・中はジューシー」など、中途半端なテクニックは無用。
初心者の調理は「中までしっかり」加熱するほうがいい。
少し慣れてきたら、食材によっては「中まで加熱しなくてもいい」「中まで加熱しないほうがおいしい」料理を試みてもいい。

ということで、「最初にチャレンジする料理」は何かというと、中国風炒め物と具だくさんの味噌汁をお勧めする。
中国風炒め物というと、肉野菜炒め、回鍋肉、青椒肉絲など。
調味は本を見て(クック○ーなどの調味料を使ってもいいが、書いてある量よりも少なめに使うといい)。

具だくさんの味噌汁の具は、芋・キノコ・海藻・野菜など。
味付けのコツは「味噌汁」という感覚ではなく、味噌味のするスープという程度に、使う味噌の量を減らすといい。
そして、主食は白いご飯。

まずはこの献立にチャレンジしてみよう。

こうしてみてくると、初心者の料理は「基本を大事にする」「自分の責任を果たす」「リスクを避ける」その上で「ますチャレンジしてみる」など、ビジネスのABC(基本)と同じであることがわかるだろう。
ビジネスマンなら得意なはずである。
やってみよう!
 

  
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