2022年8月18日(木)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2018年4月18日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

トランプ氏の「二刀流」

 では、トランプ大統領はどのような行動パターンをとっているのでしょうか。周知の通り、トランプ氏はH・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)及びレックス・ティラーソン国務長官など、側近や閣僚を次々に解任・辞任に追い込みました。 

 ゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長などトランプ氏と価値観が相違する側近や、ジェームズ・コミー米連邦捜査局(FBI)長官のように同氏が要求する高いレベルの忠誠心がないと判断を下した政府職員は、即座に解任の対象になります。しかも、ツイッターを使って突然解任を発表するのです。まったく相手に対する敬意がないやり方としか言いようがありません。側近や閣僚は「明日は我が身かと」、同氏の手法に戦々恐々として仕事をしていることでしょう。

 トランプ大統領は、特にナンバー2が自分よりも力をつけ、注目されるのを嫌います。過去に、スティーブン・バノン首席戦略官兼大統領上級顧問を更迭しました。トランプ氏は、ナンバー2がパワーをつけないように側近同士を対立させたり競わせたりして、彼らの力を消耗させる戦略をとります。

 トランプ氏が、ナンバー2に警戒心が強いことは間違いありません。この点は、金・トランプ両氏の類似点として強調しておきたいところです。

 さらにトランプ大統領の行動パターンをみていきます。トランプ氏は白人労働者、退役軍人並びにキリスト教右派といった核となる支持基盤を最優先して、彼らに利益をもたらす政策を打っています。メキシコとの国境の壁建設、中国などの外国製品に対する高い関税措置、イスラエルの首都「エルサレム」移転などは、明らかに支持基盤を強く意識した政策といえます。

 トランプ氏が選挙期間から発信している「米国第一主義」が、「支持基盤第一主義」と言われるのも納得がいきます。金氏と同様、トランプ氏も恐怖による統率を行う一方で、支持者には親しみやすさをアピールしています。この点も看過できません。

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