2023年1月27日(金)

Washington Files

2018年8月27日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。著書に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

「大統領弾劾」の可能性

 一方、このように法廷がらみの展開が大統領にとってますます不利になりつつある中で、今後トランプ・ホワイトハウスおよび連邦議会共和党幹部が最も危惧するのが、「大統領弾劾」の可能性だ。

 というのも、歴代大統領は刑法上、刑事訴追されない規定があるものの、重大な問題が露呈した場合、議会での責任追及そして罷免の事態もありうるからだ。

 現時点では、上下両院とも与党共和党が多数を占めているため、そうした心配はないが、問題は、11月の中間選挙以後だ。

 すなわち、「弾劾」問題は今や中間選挙次第となってきたことを意味する。

 今回の中間選挙では、下院の場合、もし民主党が現状より24議席上乗せすることができれば、多数を制することになり、弾劾審議がより現実味を帯びてくる。
 
 もともと南北戦争以後の中間選挙では、政権与党が下院で平均して32議席減となるジンクスがあり、今回もすでに今年初めの段階から「民主党有利」とみられてきた。

 それに加えて新たにに浮上してきたのが、トランプ大統領および側近たちをめぐる一連のスキャンダルや刑事訴追問題だ。しかも、関係者たちの今後の取り調べや法廷審理次第では、さらに共和党にとって不利なニュースが全米を駆け巡る一方、民主党にとっては選挙戦最終段階に向けて、願ってもない追い風となる。

 トランプ大統領弾劾問題は今や、「可能性(possibility)」の域から「蓋然性(probability)」の段階へと移って来たといえよう。

  
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