ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2018年9月27日

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小川大介 (おがわ・だいすけ)

1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大学受験予備校、大手進学塾で受験国語の看板講師として活躍。難関中学、国公立大学医学部などへ多数の合格者を送り出す。2000年、さらなる学習指導の理想を追求し、中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1を設立。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。著書に『小川式[声かけ]メソッド』(宝島社)、『中学受験 基本のキ!』(共著:日経BP社)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)など。今年10歳になる男の子の父。

 でも、この視点を忘れると、一つやってうまくいかなければ、すぐまた別のやり方に飛びつくという具合に、あれもこれもやろうとする間違いに陥ってしまいます。まじめな人ほど、子育てで失敗したくないという思いが強く、その傾向があるように思います。

 すると、子どもは混乱するばかりか、結局、何一つ努力した証が手に入らないということにもなりかねません。自分の努力の証がなければやる気も出ませんし、親の思いのままに振り回されれば、やがては親の言うままに行動するクセがついてしまいます。

 それでは、子どもの自主性は育っていきません。

 これ、部下を持つ方の悩みベスト10に常に登場する、「指示待ち族」問題そのものです。

その“困っている”は、誰が困っているのか?

 では、たくさんの情報の中から、何を基準にベストな方法を見つけていけばよいのでしょうか?

 それには、次の3つの質問がお役に立ちます。

(1)自分は今、何に困っているのだろう?
(2)子どもは今、何に困っているのだろう?
(3)今すぐ叶えたい目標は何だろう?

 詳しく説明していきましょう。

【自分は今、何に困っているのだろう?】

 私は長年、中学受験専門の指導者として、受験生の親子とたくさんの面談をしてきました。そこで数多く出会ってきたのが、親が「自分の問題」と「子どもの問題」をごっちゃにしているケースです。

 100満点中50点しかとれなかったテストを持参し、「こんな成績をとっていたら、普通なら焦るはずなのに、まったくやる気を見せません。どうしたらいいのでしょう?」と相談にくる親御さんがいます。

 この相談は一見、お子さんの相談に見えますが、実は困っているのは親御さんなんですね。

「普通なら焦るはずなのに」
「やる気を見せません」
「どうしたらいのでしょう?」

 全部、親の自分が決めたこと、親の自分が困っていることです。

 でも、この親御さんは困っているのは自分だ、ということにはお気づきではありません。

 何か問題を解決するには、大前提として、目標や目的がはっきりしていることが必要です。

 そこが曖昧になっていると、そもそも何が問題なのかも分かりません。

 何を目指していて、現状がどうだから、「問題だ」と言えるのかが決まるからです。

 何が誰にとって問題なのかがあやふやなら、もちろん、正しい解決策も見つけることはできません。

 ですから、まず「自分が困っていること」と「子どもが困っていること」を分けて考える必要があるのです。

 親御さんの「困った」の多くは、次の3つが考えられます。

1,何をどうしていいのか分からない
2,自分ならこうするのにできない子どもを見てイライラする
3,やるべきことは見えているのに、時間的に余裕がなくてできない。やるべきことの優先順位が選べない。

 まずは「今、自分は何に困っているのだろう?」と考えてみます。「困っている」の裏には「こうして欲しい」「こうなって欲しい」という自分の思いがあるはずです。それが何かを明確にします。

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