売りたくない売りを強要される人々がいる
株価が大きく値下がりすると、借金で株を買っていた人が、株を投げ売りするようになります。「これ以上値下がりすると借金が返せなくなってしまう」という恐怖心から投げ売りする場合もあります。
金を貸している銀行から「心配だから、早く返して欲しい」と言われて泣く泣く株を売って返す場合もあります。個人投資家が「信用買い」をしていて、株価の暴落に伴って「追加証拠金(追証)」を求められ、泣く泣く株を売却する、というのと同じメカニズムです。先物を買い建てているプロたちも、同じです。
相場観からは「今が買い時なのに」と思いながら、売り注文を出さざるを得ない投資家の心中を察すると胸が痛みますが、相場の世界は厳しいものですから(笑)。
損切りさせられる機関投資家の担当者が売る
機関投資家の中には「損切り」という社内ルールを設けている所が数多くあります。「一定以上の損を出した担当者は、持っている株を全部売って(ポジションをゼロにして、とも言います)、休暇をとって頭を冷やしてこい」と言われるわけです。
損失が無限に拡大するリスクを回避する目的、頭に血が上った担当者が間違えた判断をするリスクを回避する目的、などがあると言われていますが、いずれにしても担当者としては「売りたくない売り」を強要されるわけですから、辛いです。
このように、「売りたくない売り」が出て来ることが予想されると、「今の値段なら買いたいけれども、今少し値下がりするだろうから、買い注文は出さずにいよう」という買い手と、「売りたくない売りで更に値下がりするだろうから、いまのうちに売っておこう」という投機家が出現するので、暴落に拍車がかかる、ということにもなりかねません。