2024年12月18日(水)

前向きに読み解く経済の裏側

2018年10月3日

暴落の契機はバブル崩壊、金融危機、等々

 株価が暴落する典型的なパターンは、バブルの崩壊に伴うものです。誰もが「今の株価は高すぎるが、明日は今日より値上がりするだろうから、今日買って明日売ろう」と考えて買い注文を出しているとしましょう。典型的なバブルです。

 ある時、人々が「もう株価は上がらず、下がるだろう」と考えたとします。誰も買い注文を出さず、全員が売り注文を出すので、株価は暴落するでしょう。暴落前に売り抜けた人は大儲けをし、暴落前に高値掴みをした人が大損をして終わるわけですが、問題は、いつ人々の値上がり期待が消滅するのか、事前には誰もわからないということです。

 もっとも、こうしたバブルは、最近では稀です。誰もが高すぎると知っているのであれば、政府や中央銀行が「バブル潰し」をするからです。

 最近のバブルは、皆がバブルだと思っていないので、要注意です。たとえば平成バブルは「日本経済は素晴らしい。来世紀は日本の時代だ。それなら、日本の株価や地価が高いのは当然だ」と考えていたわけです。

 ところが、「そうでもなさそうだ」ということになると、株価が上がりすぎていた分だけ下がることになります。上がりすぎていた分が戻ることによる暴落が、上記の「売りたくない売り」等で増幅されることも、もちろんあります。

 バブル崩壊等々により金融機関の痛みが深刻化し、金融危機が起きると、「貸し渋り」が発生します。借金をして株を買っている投資家は、「借入契約の期限が来たら一度返すけど、また貸してね」と言っても「ダメ。返して」と言われるわけです。自分には何の非もない投資家も、売りたくない売りを強要されるわけです。もちろん、損を抱えて銀行を不安にさせている投資家は、言うまでもありません。

 それ以外にも、「海外で株価が暴落したので日本株も暴落した」ということは珍しくありませんし、個別株の場合は悪い材料が発表されると暴落するでしょう。まあ、投資をする場合には、暴落のリスクもあるのだ、ということをしっかり認識した上で、自己責任で判断することですね。

  
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