WEDGE REPORT

2018年11月10日

»著者プロフィール
閉じる

樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

「民主社会主義者」も健在

 前回の予備選を脱落することなく戦ったバーニー・サンダース上院議員(77)も健在だ。バーモント州選出の無所属だが2016年の選挙では民主党予備選に出馬。下院議員8期16年の経験はあるが上院議員としては無名に近く、「民主社会主義者」を自認するという特異さもあって当初は〝泡沫〟とみられていた。しかし、多くの候補が途中で脱落する中で、クリントン候補相手に戦い抜き、旋風を巻き起こした。格差是正、教育支援制度の拡充、マイノリティの権利拡大などを掲げ、多くの若者の支持が原動力だった。

 今回出馬する場合も民主党からとみられ、中間選挙期間中も、アイオワ、ニューハンプシャーといった大統領選の早い時期に予備選が行われる州を中心に遊説を続けた。

 しかし、バイデン氏同様やはり弱点は年齢。自身も選挙戦を戦ううえで論議の的になることは認めている。「幸い私は健康だ」と自信を見せてはいるが、側近のなかには、前回の選挙でエネルギーを費やしたこともあって、本当に出馬に踏み切るか疑問視する向きもあるという。

学者出身の女性議員も

 女性の有力候補の1人はマサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員(69)。学者出身で法律、とくに破産法が専門で、ハーバード大学法科大学院などで教鞭を執っていた。消費者保護運動に奔走、オバマ政権では、これに関する大統領補佐官のポストにも就いている。かつては共和党に投票していたが、途中から主張を変え、民主党進歩派の代表格といわれる。

 前回の選挙期間中からトランプ大統領を激しく批判、大統領もウォーレン議員がかつて、アメリカ先住民の血を引くことを利用して有利なポストを得たなどと報道されたことを念頭に、侮辱的な言葉を浴びせた。ウォーレン議員は、普通の白人アメリカ人に比べ、先住民のDNAは少ないとする自らの検査結果を公表する騒ぎになった。

 中間選挙でオハイオ、フロリダなどの重要州の候補応援に駆けつけたが、外交、安全保障問題での経験が皆無に近いことが弱点となろう。

人気女優オプラ・ウィンフリーの名前も

 もう1人の女性は、「アウトサイダー」のカテゴリーに属する。女優、プロデューサー、トークショー司会者などとして活躍するオプラ・ウィンフリーさん(64)だ。

 1986年から2011年まで昼の時間帯に放映された「オプラ・ウィンフリー・ショー」は主婦層を中心に圧倒的な人気を誇った。民主党支持でオバマ大統領の応援演説を買って出たこともあり、そのことが彼女自身の大統領選出馬待望論につながっている。もっとも、本人は出馬を繰り返し強く否定しているが、期待感はなお少なくない。

暗殺されたR・ケネディ氏の孫も

 ケネディ・ファミリーからは、ジョー・ケネディ3世下院議員(マサチュ-セッツ州選出)だ。1963年に暗殺された故ジョン・F・ケネディ大統領の実弟で司法長官、上院議員をつとめ、やはり1968年に兄同様に暗殺されたロバート・ケネディ氏の孫という血筋。故大統領の長女、キャサリーン・ケネディ前駐日米大使は、父親のいとこになる。父親のジョー2世も下院議員をつとめた。

 38歳の若さながら、今回ですでに当選4回。2018年1月、トランプ大統領の一般教書演説に対する民主党の反論演説を任され、にわかに注目されはじめた。本人もまんざらではないらしく、大統領選で毎回全米のトップを切って予備選が行われるニューハンプシャー州でのイベントに出席、大票田のテキサス、フロリダを遊説するなどしている。

 米国民の間ではいまだにケネディ・ファミリーに対する憧憬、その人気は根強い。出馬すれば、大きな話題をさらうことは間違いない。

関連記事

新着記事

»もっと見る