WEDGE REPORT

2018年11月10日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

ポルノ女優の弁護士は?

 ちょっと目を引く候補の1人は、マイケル・アベナッテイ弁護士だ。といっても多くの人にはなじみがないだろうが、トランプ大統領と密かに関係を持っていたポルノ女優、ストーミー・ダニエルズさんの代理人弁護士と言ったらわかるだろう。

 トランプ大統領は、ダニエルズさんに日本円で1400万円にのぼる〝口止め料〟を2016年の大統領選前に支払い、ダニエルズさんが公開の場で発言することを阻止する法的措置をとるよう弁護士らに指示したという。

 一連の騒ぎの過程で、大統領の顧問弁護士が選挙法違反などの罪で起訴され、法廷でトランプ氏の指示を受け、選挙への影響を避けるために口止め料を支払った事実を認めた。

 トランプ氏側を敗北に追いやる手腕を見せたアベナッテイ弁護士は、〝トランプ大統領にケンカを仕掛ける才能〟を誇示、出馬に前向きの姿勢を見せている。

 政治経験はないが、実際に選挙戦に参入すれば、興味本位の有権者の関心を引くとみられる。

ヒラリー、3度目の挑戦?

 笑われることを覚悟で、戯れ言をひとつ。前々回、予備選で撤退、前回は本戦でトランプ氏に敗北したヒラリー・クリントン元国務長官が三たび挑戦する可能性も否定できまい。もちろん、民主、共和いずれの政党から指名される可能性は限りなく低く、無所属での出馬、泡沫並の結果にとどまるかもしれない。しかし、並外れた権力欲、前回の選挙で、一般投票では勝利したものの選挙人数で敗北したという惜しい結果だったことを考えれば、あきらめきれずに出馬に踏み切ることもあながち否定できないのではないか。

 前回の敗者が次回の選挙で再び民主、共和党の候補に指名された例があることが筆者の想像をかき立てていることは事実だ。1944年と48年の選挙でそれぞれ民主党のフランクリン・ルーズベルト、ハリー・トルーマンに敗れた共和党のトーマス・デューイ、52年、56年に共和党のドワイト・アイゼンハワーに敗れた民主党のアドレー・スティーブンソン各氏らのケースがそれだ。あくまでも筆者個人の予想であって、ヒラリー再登場を待望し手いるわけではないことをあらためて断っておきたい。

 米大統領選の投票は11月の第一月曜日の次の火曜日と定められているので、次回選挙は、2020年11月3日だ。来年、19年のいま頃には顔ぶれがほぼ出そろい、20年の年明け早々から予備選が始まる。この間、候補者による討論、資金集めなどを通じて淘汰が進み、候補者は20年夏の党大会で決まる。この2年間,米国の政治は常に大統領選を展望しながら展開されることになる。

  
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