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Wedge REPORT

2018年12月18日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

クリントン氏もウソで窮地に

 海外のケースでは、不倫・偽証疑惑を真っ向から否定したビル・クリントン元米大統領の会見だ。

 自分の娘といくつも年の違わないホワイトハウスの元実習生との不倫関係を暴露された直後の1998年1月26日の記者会見、「私は、あの女性といかなる性的関係ももったことはない。この申し立てはウソだ」と強弁した。ワシントン特派員だった筆者は、テレビで見てすぐに東京に送稿したが、その時のクリントン氏の恐ろしい形相は忘れられない。後ろめたいことがあると、人はあのような表情になるのか。

 ウソをついていたのは「あの女性」ではなく、自分であることを認めざるを得なくなり、これも一因となって、米憲政史上2人目の弾劾裁判という不名誉な事態に追い込まれた(1999年2月、上院で無罪票決)。

 あの場で不倫の事実を認め、率直に謝罪していたら、その後の厄介な展開はあり得なかったろう。

あたらしい記者会見のあり方は?

 話を河野外相に戻す。ブログでの発言だけでは、あの時、どういう心境だったのかは、よく理解できない。ムシの居所が悪かっただけなのか、われわれの及ばない深慮遠謀があったのか。はたまた、不勉強、同じ質問を繰り返し、時に居丈高になる記者団に辟易していたのか。それなりの理由があるなら、さらに説明を望みたい。外相は今週水曜日、19日に日本記者クラブで会見する予定で、この場で何らかの発言があるかもしれない。

 今回の問題は、記者会見というもののあり方に一石を投じるかもしれない。IT時代の昨今、政治、経済を含む多くのイベントがネット中継され、ビューアーから即時に反応が返ってくる。テレビで放映されず、されても仕事で見られない人たちのために、記者が代表して会見に出席し、読者、視聴者に伝えるという従来のスタイルも変化を迫られている。いま以上に開かれた〝国民会見〟になることも予想される。どのとき、当局はどう対応し、メディアはどういう役割を果たせばいいのか。

 新しい時代の会見のあり方を模索する契機になるかもしれない。

  
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