2024年11月25日(月)

前向きに読み解く経済の裏側

2018年12月31日

米国の景気は拡大持続がメインシナリオ

 米国の景気後退を予想する市場関係者は多いようです。しかし、これも過度な懸念は不要だと思います。最大の根拠は米国の中央銀行であるFRBが利上げを続けていることです。

 FRBが景気の先行きを懸念しているのであれば、利上げを止めるか、少なくとも半年程度は利上げを先送りして様子を見るはずなのに、そうしていないわけですから、FRBは景気をそれほど懸念していないということになるわけです。

 そうであれば、FRBと市場関係者のどちらを信じるか、ということになります。どちらも筆者よりは米国経済に詳しそうですが、筆者はFRBを信じます。

 仮に筆者の予想が外れた場合には、読者各位におかれましては、筆者ではなく、FRBを批判して下さいね(笑)。

 冗談はさておき、米国の景気が後退すると市場関係者が考えている根拠が、いまひとつ定かではありません。多くの株式市場参加者から聞こえてくるのは「長短金利(実際には2年物と10年物)が逆転しそうだから」というものです。過去に逆転した時は遠からず景気が後退した、というのが根拠のようです。

 しかし、それでは「債券市場の参加者は景気後退を予想しているようだ。それなら景気は後退するのだろう」と言っているに等しいわけで、株式市場参加者の自尊心が疑われます(笑)。

 ふたたび冗談はさておき、石油ショックなどでインフレが懸念され、FRBが引き締めを行なっている時には長短金利は逆転しやすく、また景気も後退しやすいのですが、今回はそうではないので、過去の長短金利逆転時との比較は危険でしょう。

リスクを考えればキリがないが゙……

 その他、欧州の景気を心配している人もいます。英国のEU離脱が何の協定も結ばれずに実行されてしまったら欧州経済が大混乱するかもしれない、フランスのデモが拡大して全土の経済が混乱するかもしれない、等々ですが、筆者が見聞きしている範囲内では、そうした可能性は大きくないようです。

 中国と米国については、万が一の場合には経済が大きく落ち込んで日本の景気を腰折れさせる 可能性もありそうですが、それほど可能性が高くないことを過度に懸念しても仕方ありません。

 リスクシナリオについては、次回検討するとして、とりあえずは明るいメインシナリオを信じていただき、落ち着いた気持ちで正月を楽しんでいただければ幸いです。

  
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