2024年7月16日(火)

赤坂英一の野球丸

2019年2月13日

キャンプの集客に一役も二役も買っている新コーチ陣の面々

 もうひとつ、キャンプの集客に一役も二役も買っているのが、原辰徳監督以下宮本和友(投手総合)、元木大介(内野守備兼打撃)ら、新コーチ陣の面々。とくに、元木コーチの指導ぶりは連日観客を沸かせている。

 例えば、元木コーチがサードの岡本和真にノックを行い、その打球を岡本が横っ飛びでキャッチする。スタンドから拍手が起こる中、岡本は黙々と次のノックに備えて捕球の構えを取る。いままでの守備コーチならそのままノックを続けていただろうが、元木コーチは「せっかく拍手してもらってるんだから、手ぐらい振れ! ファンあってのプロ野球選手だろ!」とツッコミを入れるのだ。ここでお客さんがドッと沸く。

 慌てて岡本が帽子を取り、スタンドに手を振ると、次のノックでもまた拍手が起こる。そこで岡本がまた手を振ったら、元木コーチが今度は「いまのは手を振らなくてもいいんだよ! 大した守備じゃないんだから!」。ここでもまたお客さんから笑い声が起こり、明るく楽しい雰囲気が醸成されていく。

 読売グループの関係者によると、「ウチが主宰している野球教室ではこの元木コーチと宮本コーチが子供たちに大変な人気を博していた」という。テレビで馴染みがあることに加え、子供たちを乗せる話術にも長けているから、保護者やスポンサーにも大好評だったそうだ。この読売グループ関係者が言う。

 「巨人は常勝が義務づけられているチームだから、有能な指導者が必要なことはもちろんです。しかし、一方で、宮本、元木両コーチのように発信力を持ち、広く世間にアピールできる人材も欠かせないんじゃないでしょうか。とくに、少子化が社会問題になり、野球人口の減少が進んでいる時代ですからね」

 この人気回復ぶりに結果がついてくれば、なお言うことはない。キャンプの活況がシーズンも続くことを祈るばかりである。

  
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