Wedge REPORT

2019年2月14日

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 その通りだと思う。仮にここで「猶予」を与えていれば、逆に彼女へプレッシャーを与えてしまうだろう。特別扱いをされれば、池江本人も悲しむはずだ。今は何よりも命が最優先。とにかく治療に専念し、完治を目指す環境を整えることが重要だ。アスリートとして復帰の道を探るのは、そこからの話である。

 奇跡は起こるかもしれないし、そうなることを信じたい。しかし、今の段階から門外漢のメディアが東京五輪出場のレールを敷きながら無理矢理にムードを作り上げてしまうことは筋違いであろう。 

間違いなく素敵なトップアスリート

 池江が自国開催の東京五輪出場を目指し、モチベーションを高めつつ心血を注いできたことは取材を通して共有してきたつもりだ。日々の練習や強化合宿などで凄まじいメニューを消化し、本戦に向けて鬼気迫る姿とともに集中力を高めていた彼女の姿を知っている。そして、その本戦を終えて栄光をつかむと別人のように柔和な姿になり、まぶしいばかりの笑顔で我々メディアに対応してくれる彼女は誰が何と言おうとも間違いなく素敵なトップアスリートだ。

 「未だに信じられず、混乱している状況」

 池江はツイッターで、こうつづった。だからこそ我々メディアは時間を限定させて「余計な筋道」を立てるアジテーションだけは絶対に避け、まずは彼女が気持ちを落ち着かせて病気に打ち勝つためのバックアップを成すべきである。

 そしてもちろん私が知っている池江瑠花子ならば必ずや白血病という「難敵」を倒し、再びトップアスリートに返り咲くと信じている。

 「東京五輪に出て欲しいのは山々だが、今はその話題に関して四の五の言うべきじゃない。まだ18歳。とにかく焦らないで健康な体を取り戻し、願わくば競技の世界へ帰って来て欲しい」と前出の関係者は最後にこう口にしていた。

 満面の笑みとともに我々の前に〝生還〟を果たす池江を、いつまでも待ち続けたい。

  
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