世界の医療事情を変えることができる?
VS社は「ここ数年間で米国で行われた手術数は3億件を超えるが、そのうちロボットによるアシストを受けた術数は90万件程度と、まだまだ低い割合。手術用の診断AI、ロボットなどは非常に大掛かりで高額のため、普及に時間がかかる」とした上で、同社の小型ロボットを大量に安価に提供することで、世界の医療事情を変えることができる、という。
VS社ではゲイツ財団からの資金を使い、FDA(米食品医薬局)に対するロボット技術の使用申請の過程を推進していく予定だという。現在は試作品によるテストが行われているが、実用化にかかる時間については公表されていない。
ただし小型ロボットによる外科的治療にはナノロボットを使ったオート型が一歩リードしている。ガン治療に対し、ナノロボットが抗がん剤を直接ガン細胞にピンポイントで運ぶ、という技術をカナダのモントリオール大学が開発しているし、血管内で壁をきれいにするナノマシンも実用間近と言われる。
競争の激化によりますます新しい技術が生まれ、発展する可能性もある。安定した外科的治療を広く一般の人々が適正価格で利用できるようになる日はそれほど遠くないかもしれない。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。