2024年11月22日(金)

中東を読み解く

2019年4月8日

ハフタル将軍はどんな人物か

 将軍はどんな人物なのか。ワシントン・ポストなどによると、将軍は革命前の王政時代に軍に入り、カダフィ大佐のクーデターに加わった。チャドとの紛争に参戦して捕虜となったが、1987年逃走し、反カダフィの「リビア国民軍」に合流した。米中央情報局(CIA)が国民軍を支援していた関係で、将軍は一時、米バージニア州に移った。

 2011年にリビアで内戦が勃発すると、米国から帰国して同国の指導者になろうと目論んだが、失敗。再び米国に。将軍が米国からリビアに舞い戻ったのは2014年のことだ。中央政府がイスラム主義者と十分に戦っていない、としてクーデターを呼び掛けた。

 将軍は東部を中心に勢力を拡大。エジプトやアラブ首長国連邦(UAE)が強力に支援した。またロシアも将軍に接近、リビア沖のロシア艦船に招くなどして関係を強化した。フランスも将軍を支援、将軍が昨年病気で倒れた際には、仏軍関係の病院に入院させた。

 将軍は石油の生産、輸出などを一手に掌握し、暫定政府に石油の売却を承認するのと引き換えに、政府が国民軍戦闘員やハフタル将軍の支配地域の役人らに対する給料の支払いを認めさせた。リビアの推定石油埋蔵量は世界10位の484億バレル。最盛期には日量160万バレルほどが輸出されていた。


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