米国土安全保障省の幹部刷新のワケ
トランプ大統領は4月7日、自身のツイッターに「米国土安全保障省のキルステン・ニールセン長官が辞任する」と投稿しました。事実上の解任です。米メディアは、他にも同省の数人の高官が解任されると報じています。同大統領の意図は一体どこにあるのでしょうか。
「国境の壁」建設を「公約の中の公約」に掲げるトランプ大統領には、メキシコとの国境対策で主要な役割を果たす国土安全保障省の幹部を入れ替え、再選に向けて選挙態勢を整える意図があります。
今後は、国土安全保障省に代わり、大統領補佐官でありスピーチライターでもあるスティーブン・ミラー氏が、移民政策に関して影響力を増すでしょう。というのは、ミラー氏の難民申請者に対する強硬策は、トランプ大統領の支持基盤に歓迎されるからです。同大統領はこの点を充分理解しています。
実際、トランプ大統領は米メディアに、移民政策について「より厳格な方向へ向かうことを望んでいる」と語りました。不法移民や難民申請者に対する「強硬なイメージ」を維持して、一層厳しい国境管理を求める支持者をつなぎとめる思惑があるといえます。要するに、これも再選戦略の一環です。