2023年1月28日(土)

WEDGE REPORT

2019年6月27日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

タンカーの〝自力防衛〟も求める

 こうした動きの中、トランプ大統領は24日、ツイッターで、ホルムズ海峡での船舶航行に関して日本、中国などを名指しでやり玉にあげた。これら各国が同海峡を通過するタンカーに多くの石油輸入を依存している事実を指摘、「なぜ米国は他国のために無報酬で航路を守っているのか。これらすべての国は自身で防衛すべきだ」ときびしく注文をつけた。

 批判された日本側の反応はどうか。

 安保に関する発言について菅官房長官は、「報道のような話はない。米大統領府から『米国の立場と相いれない』と確認した」(25日の記者会見)と説明。河野外相も「ホワイトハウスから、『条約の見直しは全く考えていない』と否定する話が来ている」(同)と述べ、米政府の対応に触れて事態の沈静化を図っていることをにじませた。

 タンカーの自己防衛発言について、菅長官は「ホルムズ海峡の航行の安全確保はわが国のエネルギー安全保障上、死活的に重要だ。米国はじめ関係国と連携し、中東の緊張緩和と安定に向けて努力を続ける」と一般論で日本の立場を説明。岩屋毅防衛相は、現段階でホルムズ海峡付近に自衛隊を送り考えはない」と述べるにとどまった。

 日本側の一連の反応からは、当惑、不安、警戒感などが入り混じった複雑な思いがうかがえるが、それにしても、トランプ発言が伝えられた直後に米政府に照会するというのはどうだろう。真偽不明の報道は放置してもいいはずだ。あたふたとするあたり、日本政府もトランプ発言を真剣に懸念しているということの証左ではないか。


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