2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2019年8月9日

米国も日韓の関係悪化に気をもむ

 その場合、韓国に米軍を駐留させている米国はどう出るのか。韓国が「北」の核放棄なしで北朝鮮に接近すれば、北朝鮮に圧力をかけてきた米韓日の協力軸が崩れてしまうかもしれない。それこそ、金正恩朝鮮労働党委員長の思うつぼになる危険性がある。

 共同電によると、米国務省のナッパー副次官補(日本・韓国担当)は7日、ワシントンで開かれたシンポジウムで、日韓に対し「関係改善には双方が責任を負っている」と指摘して双方に歩み寄りを促し、中国や北朝鮮、ロシアが日韓関係の悪化につけ込む動きがあると述べて警戒心を示した。

 トランプ大統領は文大統領に対してこれまでの米韓日の協力軸を維持しようと圧力を掛けるのか、それとも朝鮮半島から撤退する方向に動くのか、日本にとっても安全保障上、地政学的にも重大な関心事になる。

 ここまで両国関係がこじれると、せっかくこれまで築いてきた日韓関係は日韓基本条約締結以前のいがみあう関係に逆戻りすることになりかねない。そうならないためにも双方は冷静になり、大局的な見地から歩み寄る道を探ってほしい。当面は8月15日の文大統領の演説がどうなるか注目だ。

【修正履歴】

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(修正前)「 安倍政権は8月2日、韓国の輸出管理が適切に行われていないとして、輸出管理手続きで優遇する「ホワイト国(優遇対象国)」リストから韓国を除外する閣議決定をし、今月28日から約2000品目を対象に施行される。これまで簡便な手続きで韓国に輸出できていたものが、個別案件ごとに申請を出して認可を受けなければならなくなり、数日でできていたのが90日も掛かるとも言われている。」

(修正後)「安倍政権は8月2日、韓国の輸出管理が適切に行われていないとして、輸出管理手続きで優遇する「ホワイト国(優遇対象国)」リストから韓国を除外する閣議決定をし、今月28日から施行される。ホワイト国除外になると、武器に使われる懸念のある化学物質、炭素繊維などの先端素材、工作機械といった幅広い品目の輸出に原則、個別の認可が必要になり、2000品目程度が対象となる可能性がある。これまで数日で認可されていたのが、期間が長く掛かることになる。ただし、管理のしっかりしている企業には優遇措置を与えることもある。」

  
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