2023年2月8日(水)

前向きに読み解く経済の裏側

2019年9月9日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

経済構造が変化すると昔のデータは危険になる

 バブル崩壊後の長期低迷期には、失業者が大勢いました。そんな時に米国の景気が悪化して輸出が減ると大変です。輸出企業が倒産して失業者がさらに増えてしまうからです。

 失業者は、所得がありませんから、消費を控えざるを得ません。そうなると、個人消費が減り、個人向けの商売をしている会社の業績が不振になって倒産が増え、さらに失業が増える、といったことも起こりました。

 そこで、「米国の景気が悪くなると、日本の景気も悪くなる」という関係が明確に存在していたわけです。

 しかし、少子高齢化による労働力不足の時代を迎えて、状況が変化しているかもしれません。もしかすると、米国の景気が悪化しても日本の景気への影響は小さいかもしれません。

 それは、輸出企業が倒産して失業した人が、今ならば労働力不足に苦しむ飲食店等々に就職できるので、「所得がないから消費が出来ない」という人が出てこないからです。

 そうなると、米国の景気が悪化しても日本の個人消費は減らず、個人向けの商売をしている会社の業績は悪化せず、従って失業も増えない、ということになるのかもしれません。

 そこで筆者は「仮にリーマン・ショックと同じことが起きても、日本経済の落ち込みは当時より相当小さなもので済むだろう」と考えています。もちろん、そんな実験はして欲しくありませんが(笑)。


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