残りのレギュラーシーズン登板は回避させるべきか?
現在のコンディションのことを考えれば即座に登録抹消し、回復に努めることが先決であろう。しかしながらチーム側はこの菅野の起用に関して、とても難しい判断を強いられている。
マジックを5とし、2位・横浜DeNAベイスターズには4・5ゲーム差をつけている。DeNAとの直接対決を3試合残しているとはいえ、残り試合数も2つ多い巨人の圧倒的優位は揺るがない。だからこそ菅野はここで登録抹消し、残りのレギュラーシーズン登板は回避させてCS(クライマックスシリーズ)に備えさせるべき――。これが巷から数多く聞こえてくる〝正論〟だ。
だが、チームスタッフの1人はこう漏らし、現場の混乱ぶりを象徴させている。
「登録抹消してからプレッシャーがかかるCSの大勝負でいきなり復帰登板させるのはいかがなものか。いくら経験豊富な菅野とはいえ、それはバクチ的要素が強いと言わざるを得ない。何より本音を言えば、今の菅野はマウンドに立ってみないと分からない状態。それならば、リーグ優勝を決めた後の公式戦で投げて〝良い感触〟をつかんでから、短期決戦となるCSでの先発マウンドに臨んだほうがいいような気もする。ただ、これももちろん本人のコンディションが悪いままなら難しい話ではあるし、何よりもチームのリーグ優勝が公式戦終了のギリギリまでもつれて消化試合の数が減れば元も子もないが…」
今のチームは先発陣が決して盤石ではなく、苦しい状況だ。こうした台所事情を考えれば、巨人側が「たとえ本調子でなく騙しだましであっても、菅野がメンバーに入っているだけで相手に嫌なイメージを与えられる」と判断したくなってしまうのも無理はない。