2024年2月27日(火)

中東を読み解く

2019年9月16日

イスラエルの攻撃に対する報復か

 誰が攻撃したのかについて、中東情報に定評がある専門誌「ミドルイースト・アイ」は特ダネとして、無人機編隊はイラク南部のハシュド・アルシャービ基地から発進したもので、その理由は8月のイスラエル無人機による同基地への攻撃に対する報復だった、と報じた。

 報道などによると、背景は複雑極まりない。米国は今年初め、イラクのイラン支援の民兵組織「イラク・ヒズボラ」がサウジアラビアの石油施設へ無人機攻撃を行ったと断じ、イラク南部にある同組織の無人機滑走路を攻撃する計画をイラクのマハディ首相に伝えた。同時に首相に対し、イラン支援の民兵を抑えるよう要求した。これに対し、マハディ首相は民兵の攻撃を抑えることは難しいと米国に伝えた。

 米国による攻撃は行われなかったが、米国は支援するシリア北東部のクルド人地域から、同盟国のイスラエルが無人機を発進させ、イラク・ヒズボラのハシュド・アルシャービ基地やその武器庫、車列を攻撃することを容認した。このイスラエルの攻撃資金はサウジアラビアが拠出した。サウジのペルシャ湾担当国務相が6月にクルド人地域を密かに訪れ、打ち合わせをしたという。

 こうした米、イスラエル、サウジの秘密計画によってハシュド・アルシャービ基地への攻撃が実施された。イスラエルは攻撃に、5機の無人機を使った。この攻撃で民兵の1人が殺害された。今回のサウジ石油施設への攻撃はこれに対する報復だが、イランが作戦を立案、主導したのか、それとも民兵の行動を黙認しただけなのかなどは不明だ。

 ただし、同誌によると、イエメンからサウジの石油施設を攻撃するには1100キロ~1300キロの飛行距離が必要なのに対し、イラク南部からだとその半分の航続距離で済み、攻撃がしやすくなる。クウェートのメディアによると大きさ約3メートルの無人機が14日、クウェート中心部の王宮上空を飛行しているのが目撃されており、サウジ攻撃のドローンの一部だった可能性がある。クウェート政府は調査を命じるとともに、石油関連施設への警戒を徹底するよう指示した。


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