Wedge REPORT

2019年10月10日

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労働時間のピークカットを

自動操舵の様子(農研機構北海道農業研究センター 大規模畑作研究領域 大規模畑輪作研究グループ提供、以下同じ)

 「ピークで労働力が得られないと、収入が得られない。労働時間の『ピークカット(ピークの抑制)』が重要なテーマ」(辻さん)

 ピークカットのために辻さんが着目したのは、てん菜の作業だ。4月下旬に労働時間が年間で最大になる時期にかなりの割合を占め、バレイショやタマネギといった作物と作業が重なる。もしてん菜の作業時間が減らせれば、バレイショ、タマネギの作業時間が確保できる。また、11月の収穫作業を短縮できれば、後作(次の他の作物を栽培すること)に向けた準備に注力できる。

 そこで、JAつべつ(本所・津別町)で生産支援組織を作り、育苗施設から苗を農家のハウスに運ぶ作業や、畑への苗の運搬、収穫などを組織が担うようにした。また、収穫はこれまでうねを1列ずつ収穫する機械が主流だったのを、「テラドス」と呼ばれる6列を一気に収穫する機械を導入する。煩瑣な作業を請け負ったり、作業効率を上げることで農家がほかのことをできるようにする。

てん菜を収穫するテラドス。革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)2017年度‐2019年度にて導入

 「てん菜の作業が減った分をバレイショの拡大などに使ってと話している」

 津別町は中山間地で、畑の形がいびつなものも多い。そのため、同じ面積でも畑の形状によって必要な作業時間が大きく変わる。通常、面積に応じて作業に対する報酬が決まるけれども、今後はICT搭載の農機を活用するなどして作業を見える化し、実際の作業量に応じた支払いにしたいと構想中だ。

 加えて、作業の効率を上げるための一つの方策として数年前から検討しているものに「トランスボーダーファーミング」がある。これは地権者の境界を越えて農作業をすること。ドイツで行われているのを手本に、北海道でも導入できないかと考えている。

 「一部の地域では圃場の整備が進んで、一枚が広くなったけれども、使い方が従前のまま。大きな畑を地権者ごとに枕地(圃場の端で農機を旋回する場所)で区切り、別々に管理していて、能率が落ちる」

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