2024年4月25日(木)

Wedge REPORT

2012年3月28日

 地球温暖化防止のための環境保護運動の高まりや人間の身勝手なペット放置などによる動物愛護運動の動きは、活動家にとって、最も過激な手法を取るべきとの風潮を助長する要因ともなっている。当初は、正常な判断力を持っていった普通の人が、ねつ造された情報で危機を煽られて次第に感覚が麻痺し、環境テロリストにつながる階段を一歩一歩、上がっていく実態にある。

太地町では、シー・シェパードの旗とトランシーバを持って活動家が行き来する (筆者提供)

 環境保護や絶滅に向かう生物を救うための動物保護の動きは、21世紀の社会が求める時代の要求であり、この流れに逆らうことはできない。環境テロリストは、地球保全や動物愛護の歪んだ情報の海の中で培養されていく。そして、過激派を取り締まる法規制が脆弱な日本は、国土が環境テロの脅威にさらされるその前夜の状態にある。未曾有の東日本大震災を受けて、過激環境保護運動が反原発の動きとも結びつき、ハイブリット型の違法、脱法行為が生まれるかもしれない。

 効果的なSS対策や環境テロ予防策は、捕鯨政策などの諸情報の透明性を担保することと、日本の伝統を諸外国にアピールする独立したPR部門の設立、そして、環境テロを冷静に分析できる専門組織の結成にあると考える。

 インターネットを通じた情報の発信や情報を活用する技術、そして、ネット上に存在する危険から正しく身を守ることができる能力などを「ネットリテラシー」と言うが、環境保護や動物愛護関連で、正しい事実に基づき、ねつ造された情報にまどわされず、常識やまっとうな倫理観をもって行動できる「アニマルリテラシー」「ネイチャーリテラシー」のような概念を広めることも重要だろう。

 米国では、爆弾を使う環境テロリストもすでに誕生している。ノルウェーでは捕鯨船が相次いで沈められている。すでに、捕鯨船員やイルカ漁漁師らが標的となっている日本で、被害が拡大する前に、その芽を摘まなくてはいけない。


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