2022年6月30日(木)

Wedge REPORT

2019年11月21日

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 10アール当たりの窒素肥沃度マップの作成費用は1500円(以下いずれも税抜き)。これは初年度のみかかる。可変施肥マップの費用は500円だ。そのため、初年度は10アール当たり2000円、翌年からは同500円かかる。「肥料が減って収量が上がるので、十分効果はある」とズコーシャのアグリ&エナジー推進室室長の横堀潤さんは話す。

ズコーシャの横堀さんと可変施肥の空撮に使うドローン

対応機械の導入コストがネック

 2017年産の10アール当たりのてん菜の生産費のうち、肥料費は23.7%を占め、2万2500円ほどになる(農林水産省統計部の「平成29年産てんさい生産費」による)。仮に肥料費の削減効果が20%あれば、10アール当たり4500円ほどの節減効果になる。このため、可変施肥に関心を持つ農家は多い。

 ただ、実際に使うかどうかのネックになるのは、可変施肥を使う前提となる機械の購入費だ。可変施肥に対応する施肥機は数百万円する。GPS対応のトラクターを持つ農家は増えつつあるけれども、性能の良い施肥機を持つ農家はまだ限られていて、可変施肥の導入に二の足を踏んでいるようだ。導入による効果が肥料代の節減にとどまらず、増収にまで結びつくことが今以上にデータで示されるようになれば、広がっていくのではないだろうか。

 可変施肥の仕組みはズコーシャに限らず、多くのメーカーや業者が手掛ける。トラクターで土壌診断装置を牽引するものから、ドローンや無人ヘリコプターを使ったリモートセンシングまでさまざまだ。リモートセンシングの最たるものは衛星によるもの。宇宙から畑を監視する時代が来ようとしている。次回の連載では、宇宙からのリモートセンシングを紹介したい。

  
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