赤坂英一の野球丸

2019年11月18日

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 そのアメリカにはメジャーの一流どころがいない代わり、大変将来性豊かな若手有望株、いわゆる「プロスペクト」と呼ばれる選手が名を連ねていた。選手28人のうちMLB公式サイトのプロスペクト・トップ100から7人(うち4人が上位50位以内)を選出。その顔ぶれがなかなかの〝金の卵〟ぞろいなのだ。

 まず、このプロスペクト・ランキング5位のジョー・アデル外野手(20歳)は2017年のドラフト1位でロサンゼルス・エンゼルスに入団。打撃の技術、パワー、センスは日本人のチームメート・大谷翔平にも引けを取らないという。またシカゴ・ホワイトソックス傘下のアンドリュー・ボーン内野手(21歳)は今年のドラフト3位、フィラデルフィア・フィリーズ傘下のアレク・ボーム内野手(23歳)は昨年のドラフト3位で指名された上位指名組の逸材。さらに、アトランタ・ブレーブス傘下のドリュー・ウォーターズ外野手(20歳)、オークランド・アスレチックス傘下のマーク・ペイトン外野手(27歳)もMLBでは高く評価されている。

 そうしたプロスペクトの中で最も際立ったプレーを見せていたのがジョー・アデルだ。日本戦では第2打席で四球を選んだ選球眼、第3打席で内野安打を稼げる足を披露。さらに、3-2と1点のリードで七回の第4打席、中日・大野から試合を決定づけるホームランを放った。

 アデルは試合後、「日本の投手は内角への速球、外角への緩い変化球で勝負してくる。そういう傾向を頭に入れて狙い球を絞った」とコメント。日本投手陣のデータ分析と対策にも抜かりはなかったことを強調し、優れた野球脳の持ち主であることも印象づけた。

 また、日本と優勝を争った韓国も、高卒3年目までの成長株を4人選んでいた。中でも、決勝の前日、スーパーラウンド最終戦の日本戦でタイムリーヒット2本、2打点を挙げた姜白虎(カン・ベクホ=高卒2年目、20歳)が目を引いた。姜は2017年秋のドラフト1巡目でソウル高校からKTウィズに入団し、1年目の翌18年から活躍して日本の新人王に当たるルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞。今季も打率3割3分6厘、13本塁打、65打点という好成績を残している。

プレミア12を各国のプロスペクトの登竜門的国際大会にしたらどうか

 そうした海外の若手有望株を見るにつけ、プレミア12はいっそU21(21歳以下)かU23(23歳以下)の年齢に限定し、各国のプロスペクトの登竜門的国際大会にしたらどうか、と考えた。各国が足並みをそろえるのが難しければ、日本の侍ジャパンだけでも若手有望株に絞ってチームを編成すればいい。

 そうすればオリンピックやWBCとの差別化にもつながり、いまとは違った魅力をアピールできるだろう。オリンピックやWBCに比べるとまだまだ歴史が浅く、規模も小さいのだから、新興の国際大会として特色を出すことも必要だ。

 もし、例えば今年、日本の若手有望株でU23侍ジャパンを編成していたら、どんな顔ぶれを集めることができたか。私見ながら、中日・根尾昂、広島・小園海斗、ヤクルト・村上宗隆、楽天・オコエ瑠偉、ロッテ・藤原恭大、安田尚憲、平沢大河、日本ハム・吉田輝星、それに右肘を手術していなければ清宮幸太郎など、甲子園を沸かせた元高校野球のスターたちを集めた〝ドリームチーム〟を作ることも可能だったと思う。

 そんなU23の監督には、稲葉篤紀とは別の若い人物を選ぶべきだろう。実現性を度外視して言えば、今年現役を引退して巨人の二軍監督に就任した阿部慎之助、選手時代にWBCに出場した新井貴浩氏など、23歳以下の侍を率いるリーダーシップの持ち主に侍ジャパンのユニフォームを着てもらいたい。

 今年のプレミア12は日本戦のテレビ視聴率こそ毎回平均2桁をマーク、第4戦しか2桁に達しなかったソフトバンク-巨人の日本シリーズを上回った。が、観客動員は日本-韓国戦以外伸びておらず、日本戦でもカードによっては空席が目立ち、海外のメディアに厳しく批判されている。この際、これまでとは違う形で注目を集め、ファンの関心をかきたてるモデルチェンジを図ってみてはどうか。

  
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