2022年12月6日(火)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2012年4月27日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

日本はアメリカの金融政策や市場動向に
無策であってはならない

 アメリカで、景気の見方を巡って市場が楽観と悲観を大きく行き来するのは今に始まったことではない。しかし、それが金融ビジネスを相応に盛り上げているだけならまだよいとしても、やり過ぎれば世界経済にとって迷惑となる。

 しかも、その可能性は当面高まりかねない。一番の対応策は、なによりアメリカの景気が堅調に回復しつづけることだ。しかし、アメリカの政府とFRBの慎重な対応も欠かせない。それは、景気を良くすることばかりではなく、経済情勢を的確に見極めることにもある。

 一方、日本もアメリカの動きに無策であってはならない。QE3が実行される場合には、金融緩和や為替介入などあらゆる手段を用いて円高が大きく進行しないように抑えることが最優先だ。1年半ほど前の通貨戦争時に、対ドル上昇率が主要通貨で最も大きかったのは円だったことを忘れてはならない。

 加えて、アメリカ経済と市場の影響を少しでも限定的にするために、引き続き大震災後の景気回復を堅調なものにしていくことも必要だ。欧州経済情勢や原油動向などにも引き続き神経質にならざるを得ない中で、当面は市場やアメリカの金融政策の動きも予測しながら早め早めの対応を心がけることが不可欠な局面だ。

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