2024年11月23日(土)

経済の常識 VS 政策の非常識

2012年5月14日

 豊かになり、人口の増大した国々が、資源やちっぽけな島や異民族を支配して贅沢をしたいと争うことになれば悪夢である。人口の減少していく国の人々は、そんなことはバカらしいと考えるようになる。どの国の金持ちも、日本がそうしているように、大都市と美しい田園に住居を持ち、目立たず、優雅に、豊かに、平和に暮らしたいと思うようになる。

 人口が減少しても、国防には問題がない。人工衛星というミサイルを打ち上げようとして失敗した国のGDPは日本の1%以下である。日本の国防費より国全体のGDPが小さいのである。人口は日本の5分の1弱だが、あまりにも貧しいのでそうなってしまう。

 日本が少しでも真剣になれば、脅威になりうるはずもない。一人当たりの豊かさは、ネズミ講年金にも国防費にも知の探究のためにも、さらに豊かになるためにも使える素晴らしいものである。大事なのは、一人当たりの豊かさであって、人口の大きさではない。
(本稿の一人当たりGDP、人口などのデータはAngusMaddisonのHPによる)

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