2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2020年3月4日

テレワークに欠かせないVDRの安全性と利便性

 もともとは貼付ファイルでは送れない大容量画像ファイルを知人と共有するために生まれたファイル共有サービスと、何千億円単位の資金が動くM&Aのために生まれたVDRとではセキュリティに対する考え方が違う。しかし、安全性の高いVDRにもいくつかの弱点があった。まず、利用料金が高額であること。海外にサーバーがあること。英語主体で使いこなしが難しくサポートが万全でないことなどが挙げられた。特に海外にサーバーがあるだけで、機密データを海外に流失させるリスク、国内にサーバーがないと監査が受けられないという理由から利用したくても出来ない企業が多かった。

 AOS VDRは、この問題を解決した初の国内サーバーを使ったVDRだという。日本の企業がテレワークに使うことに前提された設計がなされているのも特徴だ。「実はセキュリティが強化されているだけでは、なかなかVDRを導入してもらうのは難しいと我々は考えています。そこで重視したのが利便性です。まず、紙のデータをスキャンすると自動的にOCRでテキスト化します。PDFファイルもテキスト検索できるので、検索性が格段に向上します。それからビュアー機能ですね。専用のアプリがインストールされていなくても、Adobe Illustrator、Adobe Photoshop、Microsoft Excel、Microsoft Wordなどのファイルを閲覧できます。しかもAOS VDR自身も専用アプリは不要でWebブラウザで全ての操作が可能です」

 AOS VDRをブラウザで操作する。左端のようにフォルダによる階層化に対応。右がビュアーで閲覧中のファイル。閲覧者のメールアドレスが電子透かしとして入る。

 AOS VDRの主な特徴。ユーザー権限管理とアクセスログがセキュリティ管理に欠かせない

1ユーザー5000円で使える中小企業対応VDR

 VDRはM&A用に生まれたという生い立ちから、利用料金が高額だったのだが、アメリカで普及することで低価格化が進んできた。10ユーザーで月額175ドルなどというサービスも現れたがデータ容量500MBなどの制約があった。AOS VDRは中小企業が容易に導入できることを主眼に置いて初期費用なし、1ユーザー月額5000円、10ユーザー5万円から始められる。ブラウザを使うために即日可動が出来ると導入の敷居を一気に下げている。

 「テレワークを実施するためには機密データの漏洩に気を配らなくてはなりません。その1番の要因はメールの誤送信です。VDRを使えばメールによるデータのやり取りは不要になります」

 作業効率が上がり家族と触れ合う時間も増えるテレワーク、そのメリットは多いとされていながら、日本での実施は低迷していた。新型コロナウイルス感染症対策をきっかけに海外並みの普及率が達成できる可能性が見えてきた。

  
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