ブラインドラグビーが競技化された意義とは
視覚障害者には難しいとされてきた投げることや、飛んでくるものをキャッチすること、また相手選手がいるなかグラウンドをトップスピードで走ることに対し、例えばブラインドサッカーのアイマスクのように他の競技では防具類を付けて守ってきました。
ですがブラインドラグビーは全盲でも弱視でも体ひとつでプレーします。確かに危険はあるかもしれませんが全て自分の身一つで挑戦できるんです。今までできないとされてきたことが、できるようになることがこの競技の魅力であり、競技化された意義かなと思います。
それを踏まえて、ラグビーには15人制、7人制、車いすラグビー、デフラグビーがありますが、こうしたラグビー繋がりの中から視覚障害者にもラグビーができることを知ってもらえる機会になればいいですし、ラグビーを通して広く視覚障害について知ってもらえる機会になってほしいと思っています。
いずれはパラリンピックの競技に
僕個人としても日本ブラインドラグビー協会としてもいずれはパラリンピックの競技にしたいと思っています。その前にワールドカップの開催かもしれません。
ですが、僕が一番大事だと思っていることは、広く社会に視覚障害者のことを知ってもらうことであり、スポーツを通して健常者と障害者の壁をなくしたいと思っていることです。
一般的に視覚障害といえば白い杖を突いて、というイメージですが弱視はすぐにはわかりません。感覚で動ける人も大勢いますので逆に理解してもらいにくいというのが現実です。
ブラインドラグビーはみんなで楽しめる競技ですので、将来的には健常者と障害者ではなく、人と人が繋がるような、みんなが一緒になって楽しめるような活動に発展させていきたいと思っています。
― 神谷考柄キャプテン、本日は貴重なお時間をありがとうございました。競技の発展と今後ますますのご活躍を祈念しております。現在日本ブラインドラグビー協会では、今春延期となった東北や福岡での体験会の開催と、来年のニュージーランド遠征、イギリス遠征が検討されています。新型コロナウイルスの状況しだいですが、すべての社会活動のために一日も早い収束を願っています。
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