2022年10月6日(木)

子どもは変わる 大人も変わる 【WEB特別版】

2012年7月9日

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比嘉 昇 (ひが・のぼる)

夢街道・国際交流子ども館 理事長

公立の小中学校の校長を歴任し、2002年に不登校の子どもたちのフリースクール夢街道・国際交流子ども館(京都府木津川市)を設立。

 しかし、今の大人たちが子どもの頃の遊びは「ハンカチ落とし」「ゴムとび」「縄とび」「Sケン」「缶けり」など、身体全体を使うだけでなく、仲間たちと遊ぶものでした。これが生活の大事な一部だったのです。遊びの中で、上下関係や人と人とのルールを会得していったものです。

 翻って今、子どもたちはゲームメーカーの作ったゲーム機をはじめ、遊戯施設でお金を払って遊ばせてもらっています。こうした現象を見ていると、大袈裟に言うならば「時間とお金をかけて、人間らしく発達することからどんどん疎外されている」ように思えてなりません。

夏休みは子どもを思いっきり「遊ばせる」

 遊びとは本来、大人から子どもへと伝承され発展させていく「文化」に他ならない、民族の大切な遺産の一つです。このままでは、その文化がなくなるかもしれません。戦争に負けて生き抜くことに必死で、余裕も自信も失ってしまった大人たちは、子どもに対して自信を持って教えることをためらい、とりわけ親はわが子を育てる価値観が中途半端になっているように思えてならないのです。

 加えて、序列にこだわる時代の風潮の中でよりよい大学に入ることが幸福な人生につながると考え、そのために「遊ぶ」ことをトコトン否定される子どもたちがこんなにも多いことに一種の憤りを禁じ得ない昨今です。

 これから、子どもたちが楽しみにしている夏休みがやってきます。「非日常」を楽しむためにも、テレビやゲーム、パソコンの電源を消してみるのはどうでしょうか。家族団欒の大切さを思い出すかもしれません。また、豪華な遊戯施設に連れていくのではなく、自然の中に子どもを放り出してみてください。いつの時代も子どもたちは好奇心旺盛です。部屋に閉じこもって指だけを一生懸命に動かして遊ぶよりも、身体を動かし、五感を働かせて五官がキャッチする感動をいくつも体験させてあげてください。それが大人の責務だと思うのです。私たちがそうして育てられたように――。

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