2024年11月24日(日)

今月の旅指南

2012年7月27日

 徳川家康が京都に二条城を築城したのは慶長8(1603)年のこと。以来、将軍上洛時の居館として、あるいは大政奉還の発表の場として、歴史の表舞台を見つめてきた二条城の障壁画が、この夏江戸東京博物館で公開される。

重要文化財 二条城二の丸御殿
大広間四の間 松鷹図(部分)
京都市(元離宮二条城事務所)所蔵

 今回展示されるのは、二条城の3000面におよぶ障壁画の中から厳選した30面を中心に、徳川家ゆかりの美術作品や資料など約100件。江戸幕府開府に合わせた二条城創建の時代や、2代将軍秀忠の娘、東福門院和子(とうふくもんいんまさこ)の入内(じゅだい)と後水尾(ごみずのお)天皇の二条城行幸など、徳川家の栄枯盛衰の歴史の歩みを、展示品とともにたどる構成となっている。

 後水尾天皇の行幸に先立って、家光が着手した二条城の大改築では、狩野探幽をはじめとする狩野派の絵師が障壁画を担当。二の丸御殿の大広間を飾った「松鷹図(まつたかず)」、大名の控え室だった遠侍(とおざむらい)の間の「竹林群虎図」など絢爛豪華な障壁画が描かれた。これだけの内容の二条城の障壁画が、京都以外で公開されるのは初めてのこととなる。しばし、徳川家の黄金時代の空気に浸ってみたい。

開館20周年記念 二条城展
<開催日>2012年7月28日~9月23日 *期間中展示替えあり
<会場>東京都墨田区・江戸東京博物館(総武線両国駅下車)
<問>03(3626)9974
http://nijo-castle2012.jp/

◆ 「ひととき」2012年8月号より

 

 

 

 

 
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