2022年12月4日(日)

立花聡の「世界ビジネス見聞録」

2020年9月1日

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立花 聡 (たちばな・さとし)

エリス・コンサルティング代表・法学博士

1964年生まれ。早稲田大学理工学部卒。LIXIL(当時トステム)東京本社勤務を経て、英ロイター通信社に入社。1994年から6年間、ロイター中国・東アジア日系市場統括マネージャーとして、上海と香港に駐在。2000年ロイター退職後、エリス・コンサルティングを創設、代表兼首席コンサルタントを務め、現在に至る。法学博士、経営学修士(MBA)。早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。

 

日本にビジネスチャンスが転がっている

 「○○屋」や「○○業」といった職業の肩書が意味をなさなくなる。平時に国境の街で衣料品を売ることもできれば、コロナという有事になったらロックダウンされた都市部でフードデリバリの仕事もできる。このような生態とサバイバル力(基礎体力)が求められている。

 マレーシア版「Go To トラベル」の話をした。政府補助がないまま、ホテルはそれぞれプロモーションを打ち出している。宿泊料は概ね20~50%オフという相場だが、一部フラッシュセールと称して数時間限定のオンライン廉売で最大70~80%オフのものもある。ここまで激安にすると利益はほとんど出ない。けれども、顧客データが手に入る。

 一度興味をもって閲覧したホテルのページにワンクリック登録しておけば、自動的にセール情報が送られてくるので、完全に業者とエンドユーザー(末端消費者)の直接取引になる。旅行会社等の仲介が入る余地は皆無だ。

 私もSNSやウェブサイト経由でいろいろ登録したところ、日々数多くのセール情報が入ってくる。政府の補助でなくホテル自前の割引オファーであるから、仲介手数料を徹底的に排除しなければ利益が出ないので、業者はそれぞれ顧客データベースの構築に余念がない。

 ビジネスは属地的なものから、属人的なものに移行している。そうした傾向が徐々に見えてきた。名も知らない不特定多数の消費者向けの大量匿名販売から、今後は特定のAさんBさん向けの個人ターゲティング販売になる。その先にあるのはビッグデータやブロックチェーンなど、いずれも高度のITをバックボーンとするビジネスモデルである。

 IT後進国日本。裏返せばビジネスチャンスがあちこちに転がっている。

  
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