GLPの目的に込められたビジネス連携
日本的な座学研修ではない。参加者が互いに意見を交わすことが研修の成否につながる。世界各国から参加した幹部社員にとっては、互いの課題をぶつけ合い、解決手段を見つけ出して帰っていく。期間中は同じ施設で顔を合わせ、同じホテルで宿泊する。夜はワインを片手に深夜まで話し合うこともある。参加者全員がそれぞれの国の事業運営を担う立場だけに、そこではより具体的な話が進行する。
「次の事業展開を展望した知識を得てもらいながら、われわれは同じNTTデータグループの一員であることを確かめ合う。さらにせっかくの場ですから、実際のビジネスにもつなげてもらいたい」と田中担当部長はその企画意図を説明する。その動きは数年後ではなく数か月後には見え始め、会社が目指す次のステージで開花することが期待されている。
研修に参加した幹部社員に話を聞いてみた。
サンジーブ・ハンジ NTTデータUK(英国)クライアントマネジャー
「通信会社向けのビリング(課金)システムやCRM(顧客関係管理)システムなどのアプリケーション開発を担当している。イギリス、インドに分かれた合計300人のチームをまとめ上げ顧客にシステムを納入するのが私の仕事だ。ビジネス拡大には、いかに付加価値を高めていけるか、顧客のコスト低減につなげていけるかが勝負になる。そこにNTTデータグループの強みを出せるだろう。顧客が欲する最適なシステムを各地から容易に取り入れることができるからだ。研修に参加しているのは世界中の優秀な部長クラス。彼らとのフレンドリーな話し合いから、次々に新しいアイデアが生まれてくる。彼らの技術を取り入れ、われわれからも提供することができると感じている。グローバルな技術交流のメリットは顧客の満足度に表れるだろう」
アレキサンダー・マグノ NTTデータInc(米)バイスプレジデント
「金融・保険業界のIT戦略に欠かせないソフト開発とアプリケーションの外注部門の責任を負っている。率いる部下は2,000人。それぞれを技術力、経験に合わせて3つのグループに分け、金融機関の統合システムや運用管理などを遅滞なく進めることが私の仕事だ。そして、よりよいシステム提案をしていくことだ。もちろん社員のスキルアップへの対応も含まれる。NTTデータグループに入って最大のメリットは豊富な経験をもつ人材に恵まれたこと。グローバルにソリューションを提供できることは最大の武器になる。今回の研修で得たことは大きい。とくに人材の育成に関して意見交換できたことは、今後の事業展開に生かせる。それぞれの課題があり、その解決法をグローバルな視点で、より具体的な形で得られることを知ったことは、研修の最大の効果だと思う。この研修は5つ星だ」