(出所)各種報道より筆者作成
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北京はコスタリカ、ドミニカ国、グレナダと、米国の強い影響下にある諸国で競技場を建てたか、建ててやりつつあるが、バハマのものは最大級だ。完成披露式典でヒュバート・イングラハム首相(当時)が言った通り、「ジャズやレゲエの祭典」に使うこともでき、バハマの一大観光資源になる。
3500万ドルと言われる資金は、全額北京の負担だ。ただし建築には国営の山東高速集団(本社・山東省の済南)が当たったから、差し引き持ち出し額はそう多くなかっただろう。
これまた中国お得意のやり方で、ひも付き援助をさせまいとする先進国規範を無視してこそできる。中国は分類上、まだ途上国だというわけだからだ。
同じ手法を大規模リゾート建設に応用したのが「Baha Mar」プロジェクトである。所要額は26億ドル強と巨額。大半を中国輸出入銀行が低利融資として出し、建設を中国国営ゼネコンが請け負う。
名ゴルファー、ジャック・ニクラウス監修のゴルフ・コースに加え、床面積9000平方メートル超のカジノ、そしてローズウッド、モンドリアン、グランド・ハイアットという一流ホテルが入る。完成は14年暮れの見込み。分譲タイプの買い主募集は既にロンドン、シンガポール、香港で始まった。日本はきれいさっぱりバイパスされた形である。
カリブ地域で中国が何をしているかは、右上の表にまとめた。バハマでは大使館を新造中。バハマに日本の大使館はないし、バハマも東京に大使館を持たない。常駐者もいない。
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