クリスティーン大先生になりたいな…
使える社員? 全員の戦闘能力が高いのですが、特にものすごく高い社員は今、納品部門の責任者をしている女性、やよいちゃん!創業直後に入社した「社員第1号」で、当時20歳。アメリカ帰りの日本人であっても、日本語が多少たどたどしかった。大丈夫かなと少し不安に思ったのですが、採用しました。とても素直なタイプで、他の社員がアイデアを出すとまず同意をしてくれます。「いいね、おもしろいね、やろうよ」という感じで取り組むのです。
彼女を雇って2週間程経った後にタスクをお願いしたところ、アウトプットに驚いたのです。もしかしたらすごいんじゃないかと思い、いろんな仕事を頼むようになりました。その4∼5年後に入社した社員には彼女の凄さが伝わらない場合があるようです。私のように「天才!」と思う人もいれば、そのようには見ない人もいます。その差は、コミュニケーションの差でもあるのだろうと思います。彼女ときちんとコミュニケーションすると、凄さがわかるのです。
チームマネジメントで最も大切なのは、現在の会社の規模ならば、経営者である自分と気が合うかどうかだと考えています。仕事をする能力はもちろん必要ですが、ふだんから当たり前のようにいろんなディスカッションや相談できることが大切なのです。そうでないと、ブレストし合う時にもいいアイデアが浮かんでこない。「気が合う、合わない」とは、互いにコミュニケーシションを気持ちよく、納得してできるかどうかだと思うんです。
例えば、アメリカ人の女性社員で、CTO(最高技術責任者)のクリスティーン。夫を連れて来日してくれました。世界的に知られる企業に勤務していたこともあり、ビジネスの考え方がとても合理的。一方で、心が暖かい。仕事に厳しいのですが、コミュニケーションが柔らかい。だから、厳しい感じが全然しない。私がこれをしようよと言うと、「いいよね!こんなリスクがあるからこうしよう」と返してくれます。コンストラクティブで、生産性の高い会話ができるのです。
こんなにコミュニケーションが上手ければチームがまとまり、みんなが慕ってくれて気持ちよく働くんだ、とよくわかりました。チーム力をいかにアップするかを教えてくれたのが、クリスティーン大先生!クリスティーン大先生になりたいな…。
会社員の頃の上司にも素敵な人がいました。女性の部長の野々垣さん!仕事には厳しい。クオリティが高い!話していることの1つずつが正しい。本当に努力したら報われることを教えてくれた気がします。当時も今も憧れで、私の中では、スーパースター!部下たちをやる気にさせるのは、とにかく上手な人でした。
部下との関係づくりやチームマネジメントを考える管理職の人は、コミュニケーションを見つめ直すことが大切ではないでしょうか。「使える、使えない」は、最終的には自分目線だと思います。相性が良いかどうか…。それ以上でもそれ以下でもない。だからこそ、コミュニケーションを見つめ直し、相手に与える印象を含めて考えるように心がけてはいます。
必要以上には期待しないことも大切ですね。例えば、上司と部下がいるならば部下がその立場にいるのは何か理由があるからです。部下に期待をするならば、その枠の中にするべきでしょう。創業の頃は「なぜこんなことができないんだろう」と悩んだ時期もあります。
会社が成長すると、もっと大きな問題が生じるのです。初期の頃にぶつかった問題が、大したことではないと思うようになります。気にしてしまうこと自体が問題だと感じるようにもなりました。時間軸が進むと、もっと危機的な問題が出てくるんですよ。私自身がマインドをスイッチしないと成長できないんです。上司と部下の関係にも言えることだと思います。
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