2024年11月22日(金)

シルバー民主主義に泣く若者

2012年8月23日

雇用は市場が保証する

 日本の雇用慣行を時代にあったものに改革し、雇用における世代間格差の是正を図るため、以下の諸施策を提案したい。

 要すれば、これまで雇用は企業が保証するものとされてきたが、実際には企業の保証も限界に来ている。したがって、雇用は市場が保証するという本来のあり方に戻すのが望ましい。つまり、現在よりは解雇をしやすくする反面、同一労働同一賃金の原則を幅広く適用することで、正規・非正規社員、年齢の間の賃金格差を取り払う必要がある。これは若い世代に多い非正規社員の救済にもなりうる。

 こうした観点からは、60歳で定年に達した社員のうち希望者全員の65歳までの雇用確保を企業に義務付ける高年齢者雇用安定法改正案は、企業に雇用を保証させるものであり、かつ若い世代から職を奪う結果に終わるだろう。また、あわせて、転職市場の整備、社会保障制度のポータビリティーの向上、企業横断的な賃金市場の構築とそのための情報提供が必要となるだろう。

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