2024年4月20日(土)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2012年8月30日

平和的な対話解決を

 日本政府は尖閣に上陸した香港の活動家ら14人を逮捕後、速やかに強制送還して早期決着を図った。これは日中関係の一層の悪化を避けるための冷静で賢明な措置だった。

 中国の反日デモはまだ散発的で規模も小さく、中国メディアはデモについてほとんど報じていない。反日デモから反政府デモに発展する恐れは十分にある。中国指導部は党大会を前に国内の安定維持に重点を置いており、反日デモの拡大は何としても避けたい。

 日中政府の対応は適宜に抑制されている。両国政府はこれ以上の混乱を回避するため真剣に平和的な対話解決を目指すべきだ。

 尖閣問題の棚上げと日中関係の大局維持が両国の「国益」なのは明白だ。どう実現するかは、両国首脳の英断とかじ取り次第だ。国内の狭隘なナショナリズムをあおったり、感情的な世論に迎合するべきではない。

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