使えない上司・使えない部下

2021年1月29日

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 今回は、キャリアコンサルタントとして人材紹介会社で働く西條恵子さんに取材を試みた。西條さんは都市銀行(現在はメガバンク)に入行、支店での業務経験後、事務部門部署の立上げや行員向け研修、大手・中小住宅業者向けのローン勉強会等を手掛ける。個人部門、住宅ローン分野で活躍する。10年間勤務し、結婚を機に退職。

 専業主婦の傍ら、司法書士資格の勉強をしたり、義父母の手助けをしたりする。再就職しようとするが、銀行を退職してから10年ほどのブランクがあるため、リカレント教育を受けることを決意。2017年、明治大学「女性のためのスマートキャリアプログラム」を受講する。

 受講と並行して、再就職活動を始める。「キャリアが途切れた方や、悔しい思いをしながらも次へとチャレンジをしたい方、また、更なる高みを目指している方々を支援したい」との思いから、人材会社を志望する。希望する業界で再就職が叶い、入社後早期にキャリアコンサルタント国家資格も取得。現在、人材紹介会社にて、キャリア相談、転職支援を行っている。

 西條さんにとって「使えない上司・使えない部下」とは…。

(Mykyta Dolmatov/gettyimages)

あの頃は、一歩を踏み出す勇気がなかった

 再就職しようとした頃、銀行を退職してから10年程のブランクがありましたから不安が大きかったのです。その不安を取り取り除くために、明治大学のリカレント教育「女性のためのスマートキャリアプログラム」を受講しました。以前からリカレント教育に関する情報を見聞きするうちに、このような学びの機会を得たいと思っていました。仕事に復帰するならば、志す業界でしっかりとしたキャリアを重ねていきたかったのです。

 2017年10月から約半年間で、マーケティングや金融財務、ビジネスコミュニケーションなどを学びました。すべての講座が大変有意義でしたが、特に印象が強かったのは、藤野公子先生の今後のキャリアや生き方をデザインする講義です。全講義の先生方からビジネスの基本的な考え方を教えていただきました。

 あの頃は、一歩を踏み出す勇気がなかったのです。心の中での一歩が、明治大学でのリカレント教育を受けることでした。いろいろなことを学ぶうちに、凝り固まった考えがほぐされる感じがしました。

 受講するのは全員が女性で、40歳前後が多かったように思います。育児休業中の方がいたり、企業から社員教育の一環として派遣されてきた方もいました。お子さんが4人いる元システムエンジニアの方もいます。キャビンアテンダントとして長く勤務していた方もいました。こういう中で先生や友人たちとつながりができて、それが次第に広がっていくのを感じます。私もできるかもしれない、と思えるようになったのです。背中を押されるような感覚がしました。

 10年のブランクは、専業主婦の私にとっては大きいものです。現在はキャリアコンサルタントをしていますから、中途採用の仕組みがよく見えます。例えば、1年のブランクであったとしても、就職が厳しい場合は少なからずあるのです。金融など特定の業界や大企業に限らず、ベンチャー企業や中小企業も中途採用は、新卒時とは違った意味でシビアです。ほとんどの企業が、このような人物がいいというペルソナを明確に設定しているのです。

 ブランクがあっても、対象企業が求めるスキルを兼ね備えている場合は状況が変わってきます。例えば、公認会計士資格を持ち、経営戦略に詳しい方などです。あるいは、戦略系コンサルティングファームに在籍していた経験があり、クライアント企業の経営に直接関わることができる力を持っている場合も変わってくるかもしれません。

 こういうケースを除けば、一般的には半年から1年程度のブランクがあると、中途採用において希望する企業や職種に就職するのは厳しくなる傾向はあります。ブランクの間にどういう考えで何をしていたか…。ここに明確なものがあれば、変わってくるかもしれませんが。

 いずれにしろ、人材紹介会社からすると、1年以上のブランクがあった人をクライアント企業に積極的に紹介するのはなかなか難しいのではないか、と思います。人材紹介会社を通してエントリーし、内定され入社に至った場合、企業側が人材紹介会社に支払うフィー(報酬)が発生します。人材紹介会社は、私のように10年間のブランクがあるような人はクライアント企業に紹介しづらいものがあるのです。

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