2024年4月19日(金)

使えない上司・使えない部下

2021年1月29日

中途採用は即戦力志向ですが、それが一段と鮮明になっている

 私自身は、上司からするときっと「使えない部下」だった時期があるのだろうと思います。入行した頃は、支店に女性の総合職がほとんど配属されていない時代でした。そのようなこともあり、同じ支店には、私の言動が鼻につくと感じていた人もいたかもしれません。あの頃は、本当に恥ずかしいのですが、根拠のない自信や変なプライドを持っていたような気がします。

 当時まだ若く未熟な私は、上司や周囲に対しての想像力が足りなかったように思います。例えば、上司にご家族がある場合、よいお父さんだったり夫だったりといった役割もあることを具体的にイメージすることができていなかったのです。だから、思いやりや配慮が足りない場合があったのだろうと思います。相手のことを考える余裕もなかったのかもしれません。この年齢になり、そのことがよくわかります。年を重ねないと、わからないことがあると思います。

 話をしていると、特に30代前半までの比較的若い方に対して、上司や周囲への想像力が足りないのかな、と感じることがあります。ですが、若い層の方の中にも、想像力を持ち、相手に対してきちんと配慮することができる方も多くいます。

 「上司の方へのアドバイス」? 僭越なのですが、あえて言えば、部下の方との世代間ギャップを感じる場合があるかもしれませんが、ささいな言葉でも必ず伝わっているものがあるとお伝えしたいです。人と人とのつながりは年齢や世代と関係なく、その根本は変わらないと思います。それがわかる上司は、部下への対応が違います。挨拶をするだけでも、部下の方は「自分は気にかけてもらっている」と感じるのかもしれません。そこから信頼関係が生まれてくると思います。

 部下の方へのアドバイスならば、先ほど話したような想像力をどうか養ってほしい。例えば、「上司はご家庭ではいいお父さん、お母さんなのかもしれないな」とか、「町内会やPTAの付き合いがあるかもしれない」と考えていただきたいのです。そうした役割を持ちつつ、仕事もしている。それが、上司への見方を変えるきっかけになるかも知れません。想像することで、相手に対する思いやりが生まれ、相手の立場に立って物事を考えるようにもなっていくと思います。そうすると、おのずと円滑なコミュニケ―ションが取れるようになり、信頼も得られ、よい仕事につながっていきます。

 私が「使える社員」?それぞれの方が評価することですから、自分では正確にはわかりません。現在の職場では多少は頼ってもらっているのかな、と思う時はあります。頼ってもらえる社員ではありたいですね。

 上司と部下の関係で悩み、苦しんでいる方がいるならば、まずはお互いに雑談でもいいから、コミュニケーションをとっていただきたいですね。しかし、何をどのようにしてもうまくいかない場合もあると思います。その時は、心を許して接することができる人に愚痴を言うなど、発散をして欲しい。メンタルの病にならないためにも、ストレスはためないでいただきたいです。それでも苦しくて仕方がない場合は、会社を辞めてもいい。逃げ恥じゃありませんが、逃げればいいと私は思います。

 今後も、キャリアなどについてご相談をされる方々と良好な関係を築き、長期的な視野に立って、寄り添いつつ、ご支援をさせていただきたいと考えています。

  
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