2024年11月22日(金)

人事部必見! 御社の研修ここが足りない

2012年9月11日

 わかりやすく夢のある企業目標は、喜びと感動を与えたいという創業時の想いが込められている。しかし、事業拡大とともに賛同する社員が増える一方で、業務内容も増え、多忙さから部門間でのコミュニケーション不足などが出てくる。手狭になった本社所在地も移転を繰り返し、現在の青海・お台場に本社を構えた。ここは流行の最先端地域ともいえる半面、前本社のあった新橋と異なり社員間のノミニケーションの減少も招いている。全体的に社内がギクシャクする感じも否定できない状況になっていたようだ。

ユニークな研修効果に期待

 ベンチャー企業はアイデアと情熱ある営業力で事業拡大を図るのが一般的なパターンだろう。Rush Japanも同じ展開であったはず。入社する社員と退職してしまう社員という人の出入りは企業ならば日常茶飯事だが、30人規模のベンチャーでは退職者は戦力ダウンに結びつきやすい。2年前に複数の退職者が出る事態があったという。また、せっかく採用した新卒者からも退職者が出た。何故なのか。

 会社として社員を育てる環境がなかったことがひとつの要因とみられた。「リーダー層を育ててこなかったこと、新卒者も導入研修後はすぐに現場に配属しOJTまかせでした」と人事総務グループの遠藤瑞帆リーダーはいう。これまで不在だった人事育成担当として遠藤リーダーを置き、教育研修体制の構築に乗り出す。

 まず、新卒者の対応だが、採用エントリー数は昨年で4600人と学生に興味をいだいてもらっている。「採用人数は少ないのですが、入社するかしないかにかかわらず、エントリーしたすべての人に宝探しの会社の存在を知ってもらいたい。いろいろな工夫をしています」という。2025年の姿を記者会見風にして学生は記者としてひな壇にいる社長へ質問を投げかけてもらう模擬会見型の選考を開催した。

第1回目の全社員研修は西武園遊園地で自社のアトラクションを体験。終了後すぐにミーティングを行った (提供:Rush Japan)

 入社後はOJT任せにせず、配属後も定期的に面談を実施し、よき相談者となるよう制度化した。社員に対しては、まず会社の成長に一番必要だと思う活動をしていこうという方針で今年度から導入を決めたのが「タカラッシュ!でぃ」の制定だ。これは半期に1日を費やし自社ブランドの「タカラッシュ!」や全社員が一つの取り組みを徹底して行う研修。より良いコンテンツ、サービス、組織づくりにつなげていくのが狙い。

 何をどのようにやるのかは毎回、社内提案で決めていく。第1回は5月に実施した。内容はRush Japanが企画監修している西武園遊園地にあるアトラクション「ミライセンシ」を全員で体験し、終了後に全員でディスカッションする。業務の根底に遊び心と企画力が求められる“宝探し企業”ならではの取り組みだろう。


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