デパ地下の総菜売り場。ケースの中でこんもりと盛られた色とりどりのサラダやコロッケに目移りした経験のある人は多いだろう。ショーケースの前にたたずむ瞬間、大人も子どもも思わずワクワクする。「アール・エフ・ワン(RF1)」「神戸コロッケ」「いとはん」などの総菜店を全国に約330店舗展開するロック・フィールドの社食は、この「ワクワク」を創出するための土台作りの場でもある。
自社商品を研究する
「ハーベスト食育ランチ」
銀座線三越前駅から徒歩3分に位置するロック・フィールドの東京オフィス。1Fの入り口に受付嬢はいない。代わりに手を浸して消毒する槽があり、その奥はすぐに、白く清潔感のあるスペースとなっている。午前12時。このスペースに、東京総務グループの浅井比呂実さんの声が響く。
「Bのプレートにある商品の方が、お客様に人気があり支持されています。でもAの新商品も勧めていく必要があります」
「食卓に並ぶ様子をイメージできる商品の見せ方をすれば、セールストークをしなくてもお客様に伝わります」
語尾を明瞭に言い切る、はっきりとした浅井さんの説明。これを聞いているのは、首都圏の店舗運営を任されている30数人の店長たちだ。男女比は半々、20~30代が多い。「ハーベスト食育ランチ」と名付けられたこの研修では、自社商品を食べながら「改めて食と自社商品について考えてもらうこと」を課題としている。店長やSV(スーパーバイザー)、本部スタッフへの研修を、2年半ほど前からほぼ毎日のように社食で行っている。
新メニューと定番メニュー
それぞれの良さを学ぶ
この日に行われていた研修ではまず、店長たちがクジを引き、「A」のプレートと「B」のプレートを食べる人に分かれる。それぞれがトレイを持ち、実際の店頭と同じように盛られたメニューを取り分けていく。「A」に並ぶメニューは、「アイスカフェオレポテトのサラダ(473円/1個)」「白身魚と野菜のエスカベッシュ(399円/1個)」など、ロック・フィールドが「未来に向けて、発進していきたい」と思っているメニュー。「B」は「フレッシュ野菜たっぷりのポテトサラダ(294円/100グラム)」「3つの旨みハンバーグ 和風おろしソース(399円/1個)」など、定番のメニュー。メニューの横には、商品名と一緒に販売価格も表示されている。(※商品は取材時のもの)