2022年11月27日(日)

社食に企業の想いあり

2012年9月6日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

 店長たちはまずメニューを食べ、4~5人ずつに分けられた各テーブルでディスカッションを行い、それから浅井さんの“講義”を聞く。

 「研修を行う上で大切にしているのは、お客様と同じ気持ちでロック・フィールドの商品を見て、選び、食べるという実体験。毎日の業務で忙しい店長や店舗スタッフたちが、実際の商品を実体験として知るということが後回しになってしまっていなかったかという過去の反省に基づいています」(浅井さん)

「定番」商品のBプレート

 たとえば、「アイスカフェオレポテトのサラダ」を食べたことがない人でも「クラッカーとすごく合います」と勧めるとイメージが湧く。また、ボジョレーの時期に「ワインに合う総菜コーナー」をつくるなど、1品だけでなく全体の並べ方を工夫することで売れ行きは変わる。そのことを、どう店長に伝えるかが必要だ。

 「資料を配って読んでもらうだけでは伝わらない。今回の研修では、AとBのプレートを用意することで、定番商品と新商品のどちらも大切だということを伝えようと思いました。定番商品は固定客が見込めるけれど、そればかり売っていては飽きられてしまいます。定番商品をいつも買っているお客様でも、もしかしたら『今日は他のものを食べてみようかな』と思っているかもしれない」(浅井さん)

「豊かなライフスタイルの提案」を

インタビューに答えてくれた男性店長(左)。食事後は、グループごとに活発な議論が行われ、最後にはアンケートを提出する

 実際に研修に参加していた26歳の男性店長は、「研修で食べたメニューを実際に家でつくってみることもあります。研修を受けて、『考えながら食べる』ようになりました」、29歳の女性店長は「自信を持って接客できるようになった」と話していた。

 商品を食べて、「おいしい」だけではダメ。料理に合う飲み物を用意すれば、温めれば、皿を変えてみれば、組み合わせて食べれば、大勢で食べれば、いつもの食卓に1品加えれば、もっとおいしく、楽しく食べられるかもしれない。その提案を、浅井さんは「豊かなライフスタイルの提案」と表現する。商品を購入した人が、どのような食卓を囲むのか、イメージすることが大切だ。こうした学びは非常に重要で、社食を総菜を理解するための重要な場と位置付けている。

強みの「サラダ」も社食で
野菜たっぷりの朝食

 ロック・フィールドの創業は1972年。もともと神戸でレストランを経営していた岩田弘三社長が31歳のときに起業した。

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