ロシアのウクライナ侵略を非難する国連総会の決議で、自由の国米国がロシアと共に反対票を投じたことに、2月24日付けウォールストリート・ジャーナル紙の社説‘A Sad Day for the U.S. at the U.N.’が慨嘆している。要旨は次の通り。

(Viktor Sidorov/gettyimages・dvids)
国連は決して善悪の裁定者ではないが、少なくとも米国は、悪事を働いた国について国連がその事実を認めるよう長年努めてきた。しかし今回は違った。国連総会で米国はロシアと共に、ロシアが3年前にウクライナを侵略したとする決議に反対票を投じたのだ。
非常に残念だ。ウクライナと欧州諸国が提出した決議案は、さほど厳しい内容ではなく、単に「ロシア連邦による大規模なウクライナ侵略」は「破壊的かつ長期的な影響」を与えたとして、「戦闘の早期停止」を求めるものだった。
しかし、交渉でウクライナ戦争を終結させようとしているトランプ大統領にとっては、この程度でも容認できないプーチン非難だったようだ。米国は従来はこうした決議を支持してきたが、今や同盟国ではなく、世界のならず者国家と共に投票するようになってしまった。
決議に現実的な重要性はないが、今回の紛争に関してトランプがロシア側に傾いたことを浮き彫りにした。
冷戦で平和を求め、それを達成したレーガン大統領は、ソ連について真実を述べることを躊躇わなかった。真実はレーガンが「悪の帝国」と呼んだソ連を打ち負かす上で不可欠な武器だった。