2025年3月13日(木)

Wedge REPORT

2025年3月13日

 奈良県北西部に伸びる“山辺の道”。日本最古の道とされ、道沿いには田園風景とともに数々の古墳や史跡が広がる。年間30万人が訪れるという人気のハイキングコースだ。

 ルートの一角にある西山塚古墳(天理市)は、全長114メートルの前方後円墳で、墳丘に登ると、古代史の舞台である奈良盆地を一望できる位置にある。その裾野に3月20日、 cofunia(コフニア)と名付けられた民泊がオープンする。

cofunia空撮写真。周囲には、数多くの古墳がある(前田知里さん提供)

 改装された古民家には、宿泊できる4つの部屋と飲食棟がある。部屋は各々陰陽五行の火、土、木、水、金をテーマにデザインされた。

 基本は部屋内にロフト式の2階があり、そこにベッドを二つ備える。2階の窓からは墳丘がよく見えるほか、窓や扉、バスルームなど前方後円墳の鍵穴形が各所に目立つ。いずれも個性的な部屋の造りだが、とくに人気の“土”の部屋は分厚い土壁の内装で、まさに古墳の石室にこもるかのような感覚だ。

“土”の部屋は内装も土づくりで石室のよう(筆者提供、以下同)

 それにしても古墳の宿とは……誰が所有するの? 古墳で営利事業が行えるの? そんな疑問がいっぱい噴出しそうだが、宿ができるまでの過程を追うと、日本の観光や地域おこしのあり方など、さまざまな知恵とヒントが含まれていた。


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