2024年7月25日(木)

World Energy Watch

2021年2月25日

世界中で投資が進む洋上風力

 いま、世界の風力発電設備は6億kWに達したが、その大半は陸上に設置されており、洋上には全体の5%程度だ。しかも、設置されている国は英独中に集中し(図-4)、設備の約8割は北海など欧州沿岸に設置されている。今後世界では洋上風力設備が飛躍的に伸びると予想されている。国際再エネ機関によると洋上風力設備は2030年までに、欧州、中国、米国を中心に今の約8倍2億2800万kWに増えるとされている。

 洋上風力が注目される理由の一つは、陸上設備との比較では景観、騒音、日照などの環境問題を避けることが可能になることだ。一方、設置のコストは陸上よりも高くなるが、風況に恵まれる洋上では設備利用率が高くなり、設備の大型化により発電コストも下がっている。今年になりデンマーク・べスタスは羽の直径が236メートル、1万5000kWの設備を2024年から導入すると発表している。

 日本も、世界の多くの地域に習い洋上風力の導入を進めるため、秋田沖、銚子沖などに促進地域を定め2030年までに1000万kW、40年までに3000万から4500万kWの設備を設置する目標を立てている。40年時点の設備の国内調達率目標は60%だ。政府の戦略を受け、日本メーカでは再度風力発電設備に力を入れる動きもあるが、世界の風力発電メーカのシェアは図-5の通りだ。欧米中企業が占めている。既に、サプライチェーンも出来上がり、習熟曲線によりコストも下がっているだろう。英国は2030年までに4000万、EUは6000万kWの洋上風力導入目標を立てている。大きな需要を地元に持つ欧米中企業と競争できるだろうか。

 日本の洋上風力発電コストの目標は2030年から35年で1kW時当たり8円から9円だ。既に英国の20年代前半に稼働する洋上風力の入札価格は6円台になっている。欧州と異なる地形と風況を克服することは難しい。洋上風力からの発電を利用し水素を作るアイデアもあるが、水素を取り巻く競争環境は、洋上風力よりも厳しい。


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