2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年10月1日

 インドネシア外相の3カ国歴訪は多数国間のアプローチを忌避する中国をも満足させるものではあるが、関係国自身が解決の努力をしなければ、意味がないだろう、と述べています。

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 上記論評は、カンボジアでのASEAN首脳会議が南シナ海についての合意達成に失敗した後、インドネシアによる妥協策の模索が続いていることを紹介しています。

 南シナ海の問題をめぐっては、中国はあくまでも東南アジア諸国の各個撃破のアプローチに固執しており、特に、米国が入った多数国間の解決策に反対しています。インドネシアによる斡旋努力も、米国を抜きにした形のものに留まる限り、この海域の安定的秩序を創り出すことはできず、一時的な妥協に終わる公算が強いと思われます。

 李克強は、中国の外交政策の支柱は、各国との協力のもと、「平和的に台頭する」ことですが、最近の三沙市の設置に見られるように、その台頭が「軍事的裏付けのある台頭」を意味していることは明白でしょう。


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