天然ガスの利用増は日本経済を活性化させる
今後シェールガス革命によって、米国などで産業構造や社会インフラが変化していくとすれば、日本も、使いやすいあるいは使い慣れているとの理由だけで高価かつ地政学的リスクのある原油を使い続けることにはならない。一方、新たなエネルギー革命として太陽光を始めとする再生可能エネルギーがイメージされることが多いが、その多くはコストや使い勝手で割が合いにくい。その中で、メタンハイドレートの商業化が実現すれば、それこそ日本版ガス革命が現実味を帯びることにもなる。
過去、産業革命に付随するような形で木炭から石炭、石炭から石油への転換といったエネルギー革命が起きてきた。 近い将来にエネルギー革命が起きるとすれば、それは現在の石油主・天然ガス従の比率が大きく変化する天然ガス革命となる可能性がある。米国で起きているシェールガス革命を、単に海外の出来事とか、天然ガスを少し多く産出して使うこととだけ捉えてはならない所以だ。
慎重に見極めながらも、日本も天然ガス利用の拡大を意識したインフラ整備や技術開発などを着実に進めなければならない。このことが、これからのエネルギー革命に進んで参加することとなり、より安価で豊富なエネルギー資源を活用して景気、雇用、所得、産業競争力などあらゆる面で日本経済を活性化させる日本版ガス革命を起こすことにつながる。
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