そして、地下鉄の駅の壁に張り巡らされた、ドラマのポスターの脇を通り過ぎながら、どこか懐かしさを感じていた理由もわかったのである。
若い女優と男優が織りなす、テレビドラマは、「青春映画」である。
それは、高度経済成長時代に、道路の脇の家の壁に映画のポスターが貼ってある光景と同じである。
「梅ちゃん先生」の人気の底流には、シニアがかつてみた「青春映画」の残像が二重映しになっている。
堀北真希の表情と、若き日の日活青春映画のスターである、浅丘ルリ子が重なる人もいるだろう。あるいは、東宝の酒井和歌子であろうか。
わたしはどうか。内藤洋子であろうか、あるいは山口百恵であろうか。
そして、現代のテレビの女優たちは、軽々と映画の境界を越えて、スクリーンとテレビの間を往復するのである。
「梅ちゃん先生」を終えた、堀北真希はその後、映画「県庁おもてなし課」のクランクイン、11月にはクランクアップの予定のようである。高知県庁に実際にある課の物語である。
さて、「梅ちゃん先生」スペシャルの後編で、梅子と信郎の浮気騒動の行方はどうなるであろうか。そして、梅子の親友たちの群像が繰り広げる、恋愛劇のドタバタは。 (敬称略)
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