2024年11月22日(金)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2012年11月2日

 企業の事業拡大が、新たな市場開拓や差別化などでいわゆる規模の経済と範囲の経済を図って実現することは、いつの時代でも変わらない。それは容易ではないが、足元のような厳しい経済環境に内外問わずどの企業も直面していることを踏まえた上で、他社に勝る経営力を発揮していくことが欠かせない。

 そのためには、経済環境を見極めてみずからの企業戦略を常に研ぎ澄ますとともに、国内海外競合企業がどのような戦略を遂行しているかを知るグローバル目線が欠かせない。その上で、「海外展開は無理だからしない」といった、企業展開を制約する漠然とした思い込みをせずに、他社に勝る事業展開を心がけるときだ。

 今は、資金力がありリスク抵抗力を増した多くの日本企業にとってはチャンスであり、新たなビジネスチャンスを追求する局面といえる。しかも、円高を利した海外企業の買収では、新たな市場、技術、人的資源などの獲得を一挙に実現することも可能だ。

 厳しい経済環境が続くが、事情は海外企業も同じだ。体力的に見れば、今こそ日本企業が積極的な内外展開を図り、大きなブレイクスルーを図るチャンスが訪れている。


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