2024年11月22日(金)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2012年12月4日

 アメリカでは自治体、学校、宗教団体、科学、スポーツ・文化といった幅広い分野への寄付金の所得控除が認められているので人々の善意が社会に浸透しやすいシステムになっているのだ。

 つまり個人ができるだけ社会援助をすれば政府としても国からの援助は少なくて済むし、不要な公務員を増やす必要もないから合理的だという考え方になっている。

 一方、日本の場合、個人の納めた税金を国家が判断して市町村、学校、文化、スポーツなどの分野に援助するというシステムである。一般国民の感覚では政府が無駄を排して有効な税金の使い方をしているとは到底思えない。

 例えば、最近のニュースで東日本大震災の復興予算19兆円は、震災以外にも流用されたといわれている。海外からの善意溢れる寄付金がどのように使われたのかも聞いたことがない。

 東日本大震災ではアフリカ諸国や北朝鮮などの最貧国も含めて「91カ国・地域が175億円以上の寄付金を表明し、日本赤十字社が海外から受け付けた寄付金は約386億円に上る」(産経新聞11年8月9日付朝刊)。この浄財の使い道は各国に正確に伝えられているのだろうか?

 いやはや、ニューヨークまで来て日本の税金の合理的な仕組みや使途まで考えるとは思わなかった。ニューヨークの文化に親しみ心を癒すつもりで来たが、逆に日本政府の税金の無駄遣いに腹が立つとは思わなかった。やれやれ。

◆WEDGE2012年12月号より

 

 

 

 

 

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