2024年4月25日(木)

田部康喜のTV読本

2012年12月19日

 選挙速報番組は、現場中継に加えて、これから「分析」がよりその比重を増していくべきではないかと考える。

 世論調査と出口調査の分析項目の工夫が、テレビ局の報道の優劣を分ける。

 NHKの「衆院選2012 開票速報」の分析のなかで、優れていると思ったのは、無党派層のそれであった。

 前回の民主党が政権をとった衆院選では、支持政党(いずれも%)は、民主32、自民35、無党派21だったのが、今回は、民主19、自民32、無党派24、となっている。

 支持政党の数字では、自民はほとんど前回と変わっていない。自民党の地滑り的な勝利について、これでは説明ができない。

 支持政党別に、比例でどの政党に投票したか、その出口調査も興味深い。

 自民党支持のうち、73が自民党に投票したのに対して、民主党支持は、民主にいれたのが65にすぎない。しかも、自民に7、維新に12も流れている。

 無党派層の分析が、衝撃的な数字だった。

 無党派のうち、民主が16、自民が20、維新が27、公明が5、共産6、みんな14、社民3、大地1である。

 無党派がさまざまな党に割れた結果として、自民が大勝したのだった。

 選挙速報番組の視聴率は、NHKの「衆院選 2012 開票速報」がトップで17.3%、第2位はテレビ朝日の「選挙ステーション2012・第2部」10.1%だった。

 この結果は、「分析」の差ではなかったか、と思う。


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